[ 「界面化学事始め」のご紹介 ]

埼玉大学名誉教授福田清成先生は、米寿のお祝い会から2年後の2015年7月7日、逝去されました。退官記念誌『真昼の星』の刊行から23年後の2013年に『続真昼の星―私が遺してきた石積みの道標』、2014年に『補真昼の星―暮れなずむ畑野の落穂拾い』のご自伝二作を物されました。

そして、病床にありながらも、遺稿となりました『界面化学事始め』の完成に渾身の力を注がれました。

先生から頻繁で綿密な校正を受けながら、門下生有志がパソコン入力に当たり
ましたが、先生は、僅かな作業を残して旅立たれてしまいました。そこで、私
ども弟子数名で、先生の意図を推察して作業を進めました。先生の念願叶い、
ようやくここに『界面化学事始め』が陽の目を見る日が来ました。

今日、「コロイド・界面化学」という大学講義は行なわれなくなった事情もあり、紙媒体での出版を断念いたしましたが、電子媒体という手段で皆様にご覧いただくことになりました。巻頭言で柴﨑先生が述べられておられますように、『界面化学事始め』は、学問を志す若者たちを応援する目的で書かれた分かりやすい解説書です。楽しい実験例と詳しい図表を満載した界面化学入門書であるとともに、化学の歴史書としての価値も大きいものがあります。

気軽に閲覧していただければ幸いですが、ダウンロードして教材などとして活用されることも先生の望むところであったろうと思います。

私ども福清会の宝物である『界面化学事始め』がコロイド・界面化学の新展開にささやかでも寄与できることを願っております。

2018年4月
塩澤豊志

「界面化学事始め」ダウンロードページ